わたし自身随分悩んできた高音発声。中学生くらいまでは何も考えずに声は出ていました。高校生になるとより高い声をだそうと声帯筋を固めてキンキンな声で歌っていたように思います。
大学生になると表現力を高めるために、声門を開大した息の多い声の習得をしようと偏った練習をしていたら全く出なくなってしまいました。
それからは様々なボーカルメソッドを試し、今は問題なく高い声で歌えるようになるまでに回復しました。
ポイントになってくるのは、喉の筋肉の力みや緊張、姿勢の悪さ、ストレスです。
今のままでは高音発声は叶いません。特に長時間デスクワークをしている方は要注意です。
柔軟さが必要な喉の筋肉
理想的な高い声はどのようにして出るのでしょうか?
筋肉がリラックスした状態で輪状甲状筋が機能して声帯がピンと張った状態が正解です。
ここでいう筋肉というのは、喉頭を吊り下げている懸垂機構のことです。この懸垂機構は喉頭のポジションを決定する筋肉なのですが、この筋肉が硬いと発声に障害をおよぼします。
ここでいう筋肉というのは、喉頭を吊り下げている懸垂機構のことです。この懸垂機構は喉頭のポジションを決定する筋肉なのですが、この筋肉が硬いと発声に障害をおよぼします。
影響がある主な筋肉は、1肩甲舌骨筋 2胸骨舌骨筋 3胸骨甲状筋 4咽頭収縮筋 5茎突咽頭筋 6茎突舌骨筋 7顎二腹筋 8舌骨舌筋 9オトガイ舌骨筋、10甲状舌骨筋 11胸鎖乳突筋 といったところです。
胸鎖乳突筋は発声関連の筋肉ではないですが、大きな筋肉なのでその下の筋肉を圧迫してしまうため重要と考えています。
これらの筋肉を一つ一つ解消していくことはとても困難です。とくに根本的に改善するにはその筋肉へピンポイントにアプローチしていかなければいけないので、自分ではもちろんできないですし、施術できる治療院も限られています。
根本改善はできないですが、わたしが試してもっとも効果があったのが筋弛緩法です。
これは医学的に有効性が確認されているリラクゼーション法です。
一回やっただけで効果があったので皆さんにもぜひやってもらいたいです。
顎関節症、食いしばりに要注意
柔軟さが必要な筋肉が緊張している方は、顎関節症や食いしばりになっている方も多くいます。この二つが原因で筋肉が緊張しているからですね。
関連する筋肉はこの5つです。
(茎突咽頭筋 茎突舌骨筋 顎二腹筋 舌骨舌筋 オトガイ舌骨筋)
顎関節症や食いしばりの症状を軽くすることで、高音がすぐに出る可能性が高いです。ただ根本改善は難しく日々自分のことを労わることが大切になってきます。
顎関節症や食いしばりの原因は、脳卒中、脊髄損傷、脳性麻痺などの中枢神経系などの疾患以外は姿勢、ストレス、噛み合わせが原因です。
噛み合わせは歯医者さんへ行ってもらって治療するしかないのですが、姿勢改善やストレスについては自分でもできることがあるので気をつけていきましょう。
肩こりも高音発声に影響する場合もあります
肩こりって発声に関係あるの?と思われるかもしれないですが、肩こりで僧帽筋が緊張すると巻き肩になります。
そうすると胸鎖乳突筋が硬くなり、その下にある肩甲舌骨筋が硬くなり、甲状軟骨の可動域がせまくなり高音発声に影響があります。
肩こりは今や小学生でもなると言われていますね。姿勢が悪い、眼精疲労、運動不足などがありますが、最大の原因は自律神経の乱れと言われています。
自律神経ってなんか難しそうだなと思うかもしれません。
ですが、先程の顎関節症や食いしばりの原因の一つでもあるので自律神経の乱れはとても重要な問題なんです。
発声だけではありません。健康に生きるためにもアンチエイジングのためにも、自律神経のバランスを整える必要があるのです。
腸と脳の関係性
自律神経を整える方法はたくさんあります。
ゆっくりした動作を心掛けることや、規則正しく同じリズムで生活すること。ストレスを感じた時は6秒息を吐いて3秒息を吸う呼吸法をするなどで自律神経を整える事ができます。
私が特におすすめする方法は腸を整えることです。
脳と腸は脳腸相関という関係性で、腸の状態は脳にも影響があり、脳の状態は腸にも影響があるというものです。
例えば便秘になると、セロトニンという物質が分泌され腸を活性化しようとします。その時に脳のセロトニンは減少して不安な気持ちを誘発するのです。
反対にストレスを感じて精神を安定させる為に脳でセロトニンを使うと、腸のセロトニンが少なくなり不調を招くのです。
腸を整えれば心が安定して自律神経のバランスが良くなるということです。
腸を整える方法もいろいろありますが、私が一番効果があると思っているのがビオフェルミンをのむことです。
1日3回3粒を食後にのむことで、1週間後には効果を実感できると思います。
まとめ
高い声を出す為には筋肉を柔軟に保つ必要があります。
そのためには、筋弛緩法で体の筋肉を弛めて都度柔軟性を取り戻すようにしましょう。
そして筋肉が緊張しないように腸を整えるアプローチから自律神経のバランスを整え、姿勢改善を意識して生活することが大切です。
体も心も整えた先に良い発声が待っているのです。