発声に関する筋肉 筋肉をゆるめる

声門を閉鎖させる閉鎖筋

声質改善を目的としたボイストレーナーをしています。解剖学を詳しく知りたい方向けの記事をまとめました!

閉鎖筋とは披裂軟骨を内転させて声門を閉鎖させる筋肉です。

声帯ヒダが近づくほど振動の効率は上がり、しっかりした声になります。

閉鎖させる機能をもつ筋肉は主に2つ、外側輪状披裂筋と披裂間筋です。

 

ポイント

フースラーのアンザッツでは外側輪状披裂筋、披裂間筋を以下の種類の発声の際に機能させます。
アンザッツ5(裏声:目玉のおやじの様な声) アンザッツ1 (地声:黒柳徹子の様な声)アンザッツ2(地声:NHKの歌のお兄さんの様な声)

 

外側輪状披裂筋(側筋) の場所

外側という名のとおり、輪状軟骨の横から後ろ側の披裂軟骨の筋突起へ繋がる筋肉です。

起始が輪状軟骨の上縁、停止が披裂軟骨の筋突起前面です。

 

外側輪状披裂筋(側筋)の働き

外側輪状披裂筋を収縮させることで、披裂軟骨を後輪状披裂筋の時とは逆方向、つまり前方に引きます。これを披裂軟骨を内転させるといいます。

 

これにより声帯ヒダは互いに近寄り、披裂軟骨は互いに離れたままで、その間に三角形の隙間を残します。

これだけでは、声門閉鎖は不十分です。この三角形の隙間を埋める為に次に説明がある披裂間筋で、披裂軟骨を引き寄せます。

 

披裂間筋(間筋、横筋)

横披裂筋と斜披裂筋により披裂軟骨を引き寄せると、声帯ヒダが端から端まで合わさった状態で、閉鎖ができていると言えます。

ポイント

※ただこれでも声門の中央に若干の隙間が残ります。その隙間は声帯ヒダを緊張させる内側甲状披裂筋によって隙間を埋める事ができます。

 

閉鎖の感覚とは?

声帯は息を吸っている時には閉じていて、普通の発声時には閉じています。

のどぼとけに指をそっと添えて、ハァ〜と息を1秒吐いて、1秒息を止めてを繰り返してみましょう。止める瞬間に指先が声門が閉じる感覚が分かるかと思います。

あとはエッジボイスも閉鎖です。エッジボイスとは「あ」に濁点をつけて連続発声する呪怨のような声です。ただエッジボイスは力みがあると上手くできないので、ご注意ください。

声門を閉鎖する働きをもつ2つの閉鎖筋の紹介でした。

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