発声に関する筋肉 筋肉をゆるめる

【高音発声時に重要な役割】声帯を引き伸ばす伸展筋と支える筋肉

声質改善を目的としたボイストレーナーをしています。解剖学を詳しく知りたい方向けの記事をまとめました!

伸展というのは、のび広がること。声帯を伸ばす役割をする筋肉=伸展筋といいます。

伸展筋の筋肉は2つ、輪状甲状筋(前筋)と後輪状披裂筋(後筋)です。

最近は輪状甲状筋は高い声の発声の時に必要な筋肉として、認知度が上がってきていますね。

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輪状甲状筋の場所

声帯を包んでいる軟骨の器の甲状軟骨から輪状軟骨に繋がって、輪状甲状筋は存在しています。

直部と斜部の2枚に分かれており、直部は1オクターブ上の音を出すようなピッチの跳躍時の時、斜部はなだらかなピッチの変化の時にそれぞれ必要だとされています。

輪状甲状筋の働き

輪状甲状筋が収縮することで、甲状軟骨と輪状軟骨を傾けることができます。甲状軟骨が前に傾き、輪状軟骨が上がります。

それによって、甲状軟骨から披裂軟骨に繋がっている声帯が、前方に引きのばされます。

披裂軟骨の位置は変わらずに甲状軟骨までの距離が遠くなると、声帯は伸びるということです。

この時に輪状甲状筋の収縮だけでは力が弱いため、喉頭の後側で支えをしてくれる筋肉があります。それが後輪状披裂筋です。

後輪状披裂筋の場所

輪状軟骨の後ろから披裂軟骨の筋突起に繋がる筋肉です。前へ伸びる輪状甲状筋に対して、拮抗する支えとなります。

拮抗(きっこう)とは、互いに対抗して引っ張り合う事です。

披裂軟骨の外転

後輪状披裂筋が収縮すると、繋がっている披裂軟骨が外側に動きます。この披裂軟骨が回転することを外転といいます。

外転すると声門が開き、それを声門開大と言います。

後輪状甲状筋の1番大切な働きがこの声門を開大する事です。私たちの呼吸をサポートするとても大切な筋肉です。

ただこの声門が開大した状態の声帯では、芯のない声になります。

声帯が離れた状態だと呼気が振動を起こす効率が悪いので息もれが多い声です。音質はか細く、張りもなく、声も遠くに届きません。

綺麗な声を出すには、他の筋肉の協力が必要だということですね。

輪状甲状筋と後輪状披裂筋は、息を吸う時に自然と働きますが、その持久力が弱いと発声の際に声門を閉じる力に負けてしまいます。

まずはこの二つの筋肉が収縮し続ける能力を回復させましょう。

伸展筋の感覚をつかもう

あくびのフォーム

あくびが出る手前の真似をしましょう。
出る手前とは、あくびが出そうな喉の奥が広がる感じです。(口は大きく開いておらず、指1本くらい開ける。鼻腔は通っています)

喉仏に手を当てて、喉仏がわずかに下がることを確認してください。
(輪状甲状筋が収縮して、甲状軟骨が下に傾きます)

これが声帯が伸ばされているときの動きです。

高音がうまく出ないというのは、この輪状甲状筋の収縮の動きが悪いときです。

そういう時は力づくで声を出そうとするのではなく、まだ筋肉の動きがついていけないと理解しましょう。

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