歌が上手くなりたい人は、発声の仕組みを知っている事で声の出し方が変わってきます。
正しい発声方法が分かるようになるので、声の良し悪さも自分で判断が可能になっていきます。
仕組みが分かれば、目指すゴールまでの道が明確になるので、後はコツコツ進んでいけば理想の声が手に入ります。
全く知識がない人や、もう一度理解したい人に向けて、基本的な解剖学の内容をまとめました。
声帯は軟骨の器の中にある
声帯は一対のヒダでできており、声帯ヒダと呼ばれます。
甲状軟骨の中に音を響かせる共鳴空間の喉頭室があります。
この空間の中に声帯ヒダ、前庭ヒダ(仮声帯)が存在していて声の音色をつくる重要な場所です。
声帯ヒダはいくつもの軟骨でできた「喉頭」に覆われていています。これを私は軟骨の器と表現しています。
その喉頭は、甲状軟骨・輪状軟骨・一対の披裂軟骨で形成されています。
声帯の前部は甲状軟骨の前方内側に、後部は披裂軟骨に固定されています。
固定されている場所は正面からみて、甲状軟骨の真ん中くらいに位置します。声帯の長さは個体差ありますが、1〜3cm程度の大きさです。
声帯というのは?
声帯というのは、声帯ヒダ、そしてその内部の声唇、声帯靭帯そして声門あたりの全体のことを指しています。
声帯ヒダは一対になっていて、その名の通りヒダをイメージしてください。そしてそのヒダは筋肉の集合体の筋体でできています。
筋体は電気コードみたいにいくつもの線が一つに束ねられているイメージです。
その束はある程度の独立性と自由度をもっていて動かす事ができます。この筋体のことを声唇(せいけい)といいます。
声唇は筋肉でできていますが、その表面は粘膜からできています。
表層から非角化重層扁平上皮、ラインケ腔、声帯靭帯、声帯筋の構造になっています。
粘膜層は非角化重層扁平上皮とラインケ腔で、この粘膜と声帯筋の間に声帯靭帯があります。
声帯靭帯は骨と骨を繋いでいて、甲状軟骨の前側と後側の披裂軟骨を繋いでいます。
そして声帯の間の呼気の通り道を声門といいます。呼気が声門を通るときに声帯ヒダが振動して音が出ます。